Intel NUC(NUC7i7DNHE)セットアップ

導入目的

長らくネットワークエンジニアとしてキャリアを積み重ねてきましたが、いまやルータ・スイッチだけしか分からないエンジニアが通用する時代ではなくなってきています。業界の潮流として、ネットワークだけではなく、仮想化やサーバなどインフラ全般について統合的な知識・スキルが求められており、ネットワークエンジニアからいわゆるインフラエンジニアとして技術領域を広げていく必要性を感じていました。

仮想化基盤としてデファクトスタンダードとなっているVMware vSphere Hypervisor(ESXi)と、Windows Server(特にAcitveDirectory)及びLinux(Web、DNS、Mail、etc.)の技術習得を目的に、学習用プラットホームとしてPCサーバを導入する事としました。

当初、Mini-ITXベースでPCを組み上げるつもりでしたが、よくよく調べてみると、ESXi標準のISOイメージでは、PCのNICSATAコントローラを認識できない問題が起こりえるという事が分かりました。ESXi-Customizer-PSというツールを利用して、ISOイメージにドライバを追加する、という手法で解決できるらしいのですが、なんだか手間だし少しハードルも高いです…。結局、自作PCは諦め、ネット上でESXi稼働の実績や導入事例の紹介が少なからず見つかったIntelのNUC(Next Unit of Computing)というベアボーンキットを採用する事にしました。

Intel NUC(NUC7i7DNHE)スペック

Intel NUCは数多くのモデルがありますが、今回購入したのは2018年5月頃に発売されたNUC7i7DNHEというモデルです。CPUに4コア/8スレッドを実現した、いわゆる第8世代Coreプロセッサーを搭載し、それまでの2コア/4スレッドだった従来モデルより大幅に性能を高めています。

学習の主要テーマの一つが仮想化である以上、コア/スレッド数が増えて仮想マシンに割り当てられるCPUリソースに余裕ができることは重要なポイントです。

ただ、Core i7を搭載し性能が良くなった分、価格は高めとなっています。同じ4コア/8スレッドを実現しているCore i5 8250U / 8350Uを搭載したモデルがあれば良かったのですが、2018年6月時点ではラインナップにありません。今後、4コア/8スレッドのCore i5を搭載した手頃な価格帯のモデルも登場することでしょう。

  • CPU Intel Core i7 8650U(4コア/8スレッド)
  • TDP 15.0W
  • Memory DDR4-2400 SO-DIMM
  • 最大メモリサイズ 32GB
  • NIC Intel i219-LM
  • VT-x対応
  • I/O USBポート x 4 , HDMI2.0a x 2
  • サイズ 115(W)×111(L)×52(H)mm

追加購入パーツ類

Intel NUCはベアボーンキットですので、SSD、メモリ等の追加パーツが必要となります。今回、追加で用意したパーツは以下になります。

品目 型番 品名
SSD SSDPEKKW512G8XT Intel SSD 760p M.2 PCIEx4 512GB
メモリ CT16G4SFD824A Crucial DDR4 16GB (PC4-19200/SODIMM) x 2
電源コード GR-PZ005 ACケーブル

Intel NUC(NUC7i7DNHE)セットアップ

同梱されているのは本体に加えて、ACアダプタ、VESAマウント、簡単な説明書。ACアダプタはありますが、コンセントに刺す方のACケーブルは別途購入する必要があります。小さいとは思っていましたが、実物を見ると思っていたよりも小さいです。

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前面は電源スイッチに、USBポートが2つ。

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背面は、USBポート x 2、HDMI x 2、LANポート、電源INPUTが並びます。

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底面のゴム足にあるネジ4か所を緩めると開けることができます。

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用意したM.2 SSDSATA接続の2.5インチSSDをイメージしていたので、小ささに驚きました。ガム程度の大きさ、薄さです。写真の通り、モジュール上には放熱に役立てる為かシートが貼ってあります。

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仮想マシンを多数立ち上げる事を想定して、メモリは最大の32GBを用意しました(Cisco VIRLで多数の仮想ルータを立ち上げて検証を行った経験から、メモリは最大限積んでおきたかった)。

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マザーボードSSDとメモリを刺したところ。用意されているスロットに刺し込むだけなので、特段難しいことはありません。

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底板は2.5インチスロットを兼ねています。右側のSSDと接するところに、金属製のシャーシに熱を逃がすサーマルパッドが張り付けてあります。PCI Express/NVMeに対応したSSDは高速だが発熱が激しいと聞いており気になっていたのですが、このように対策はとられているようです。

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Intel NUCのセットアップはこれで完了です。後編で、VMware vSphere Hypervisor(ESXi)のインストールを紹介します。