1. さくらのVPS契約
IHANetへの接続形態については色々検討しました。当初、自宅の光回線で固定IPアドレスの契約を行い、小型PCを購入しソフトウェアルータを動かす事を考えました。ただ、自宅で小型PC等の機器を24時間365日の連続稼働をさせたくないことや、ひかり電話が使えなくなるという理由で諦めました。
最終的にさくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)を契約し、その上でソフトウェアルータを動かす事としました。ちなみにソフトウェアルータとしては、当面の間はVyOSを利用し、その後、CentOS + FRroutingに変えたいと思っています(私のLinuxスキルが向上次第、移行します)。
なお、契約したさくらのVPSは、VyOSが稼働できれば良いので最小構成のモノを選択しました。月額685円で利用できるのでお得感がありますね。
項目 | スペック |
---|---|
CPU | 仮想1Core |
メモリ | 512MB |
ストレージ | 20GB SSD |
利用料金 | 初期費用:1,080円、月額:685円 |
2. さくらのVPS上でのVyOSインストール
さくらVPSのサイトに記載の案内を読む限りでは、利用可能なOSは事前に用意されている「標準OS」または「カスタムOS」しかないのではないか...と思ったのですが、以下のさくらVPSコントロールパネルの画面イメージの通り、アップロードした任意のISOイメージから仮想サーバを起動してインストールを行うことが可能です。
2-1. VyOSインストール
VyOSのサイトからイメージをダウンロードします。検証環境では、VMware用のOVAイメージを利用しましたが、今回はISOイメージをダウンロードします。そのISOイメージをさくらのVPSにSFTPでアップロード後、さくらVPSコントロールパネルからISOインストールを実行します。
起動後、VyOSにログインします。ログインユーザー名/Passwordは、共に"vyos"になります。 ログイン後、下記コマンドを実行します。
install image
2018/07/07:追記
仮想マシンの再起動を行うと、VyOSが正常に起動しないというトラブルに見舞われました。色々とネット上の情報を確認した所、インストール手順でディスクのパーティション指定をしなければならない事が分かりました。
ディスクのパーティションの仕様には、MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Patition Table)があり、さくらVPSではGPTとなっているところを、VyOSがサポートしているMBRに変更する必要があるようです。
- インストール手順中、"Partition (Auto/Union/Parted/Skip) [Auto]:"と表示されたら、"Parted"と入力する。
- Parted対象のドライブの選択。デフォルト値のままなのでEnterキーを押下する。
- プロンプトが(parted)と表示されたら、mklabel msdosと入力する。
- 対象ドライブのデータが消えること旨の警告が表示される。Enterキーを押下する。
再度、"install image"コマンドでインストールを実行しますが、今度"Partition (Auto/Union/Parted/Skip) [Auto]:"が表示された際は、[Auto]のままで結構ですので、そのままEnterキーを押下して下さい。
2-2. VyOS基本設定
インストール完了後にリブートを行います。起動後、VyOSの初期設定を行っていきます。
VyOSのインターネットに接続しているインターフェースは、eth0になります。eth0インターフェースにグローバルIPアドレスを割り当て、デフォルトゲートウェイ、DNS、タイムゾーン、SSH等の基本設定を下記の通り行います。なお、使用するグローバルIPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、DNSサーバアドレスは、全てさくらVPSコントロールパネル上で確認できます。
configure set system host-name VyOS set interfaces ethernet eth0 address 160.xxx.xxx.xxx/16 set interfaces ethernet eth0 description Internet set protocols static route 0.0.0.0/0 next-hop 160.xxx.xxx.xxx set system name-server 210.188.xxx.xxx set system name-server 210.188.xxx.xxx set system time-zone Asia/Tokyo set service ssh port 10022 commit save exit
これで基本的な設定は終了です。