諏訪高島城

年末年始のまとまったお休みに、どこかお城を訪れたいと計画したのですが、この時期はたいていのお城が休館日となり日本100名城のスタンプが押せません。そんな中、高島城は年末こそお休みでしたが、正月三が日は開館している事を知り、年明け早々訪れる事にしました。

ちょうどこの頃、新田次郎著「武田信玄」を読んでおり、作中で舞台の一つともなっている長野県の諏訪地方を訪れることも楽しみでした。

アクセス

JR上諏訪駅から徒歩約15分程です。

東京からだと特急スーパーあずさを利用する事になるかと思います。時期によってはとても混む路線ですので、指定席の事前予約をすることをお勧めします。

スタンプ設置場所

  • 高島城天守閣資料館一階展示室内

沿革

高島城自体は武田信玄が活躍した時代のお城ではなく、それより後の文禄元年(1592年) に豊臣秀吉の家臣・日根野高吉によって築城されました。日根野高吉は安土城大坂城の築城にも携わったことがあることから、高島城も織豊系城郭として石垣や天守を備えたお城として築かれました。

その後、慶長6年(1601年)に譜代大名の諏訪頼水が2万7千石で入封し、以後、明治維新まで諏訪氏が当地を治める事となり、高島城は諏訪藩の政庁として威容を誇りました。

訪問記

天守閣は昭和45年(1970年)に復興されました。当時の天守閣は屋根に瓦ではなく、檜の薄い板を葺いた柿葺(こけらぶき)だったそうです(復興天守では銅板葺が用いられている)。

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天守閣3階の展望台から望む諏訪湖。当時は城のすぐ傍まで諏訪湖が迫り、湖上に浮いて見えたことから別名「諏訪の浮城」と呼ばれ、日本三大湖城の一つとして数えられたそうです。現在は諏訪湖干拓が進み、水城の面影は失われています。

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館内に展示がありましたが、美しい諏訪湖、そして湖畔に立つ高島城が葛飾北斎などにより浮世絵に描かれています。画像は葛飾北斎富嶽三十六景 信州諏訪湖」(Wikipediaより)。

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小説「武田信玄」では、天文11年(1542年)に武田晴信(信玄)が諏訪領に侵攻し、諏訪家当主の諏訪頼重を自害に追い込みます。これにより諏訪家は滅んだのかと思っていましたが、諏訪頼重の従兄弟に当たる諏訪頼忠により諏訪家は再興し、その子諏訪頼水を初代藩主とする諏訪藩が江戸時代を通じて諏訪地方を治めていことを知り、嬉しい気持ちになりました。