50歳で水泳を始めた 1(現実は甘くない)

30年ぶりに泳ぐ

とても暑かったこの夏、5歳になった息子を近所の公営プールによく連れて行きました。顔に水をつけるところから始まり、潜ったり、蹴伸びに挑戦したりと、以前にはなかった上達したいという向上心が芽生えてきたのを感じます。

息子のために連れて行ったプールですが、私自身も高校以来30年ぶりのプールを楽しむことができました。小学生の頃に水泳を習っていた時期があったのですが、そのおかげか今でも特に困らずに泳げたことは嬉しい驚きでした。

プールに行くようになって何回目の時か、息子に気を配りながら何とはなしに周りを見ると、熱心に練習している親子の姿が目に入ります。中学生くらいのお子さんが何度か25mをクロールで泳ぎ、タイムを測っているお父さんが「35秒!」と結果を伝えています。

ふと、自分はどの程度のタイムになるのだろうと思い立ち、コースが空いたところで挑戦してみることにしました。プールサイドにはスポーツタイマーという大型のタイマーが設置されています。そのタイマーを参考にだいたいのタイムを測ったところ、贔屓目に見て16秒…いや17秒かな、といったところでした。50mなら34~40秒程度になるのでしょうか。そのタイムがどの程度のものか分からなかったので帰宅後、タイムの目安を調べてみます。

大会参加を志す

マチュアスイマーが参加する競技としてマスターズ水泳というのがあり、各種目で年代別に競われているようです。各地で開催されており、そのうちいくつかの50~54歳区分の自由形50mの結果を見てみました。優勝者のタイムは24秒台とかなり速い!27秒台で入賞が視野に入ってくる感じでしょうか。なかなかそこまでの域に達するのは難しいかもしれません。

色々と調べるうちに地元世田谷で毎年9月に水泳大会(世田谷区民体育大会水泳大会)が開催されており、こちらもマスターズ水泳と同様、年代別で競われているようです。タイムはマスターズ水泳より下がり、50~59歳区分の参加者のタイムは27秒から41秒程度と幅広い感じです。仮に30年以上、何も練習もしていない状態で40秒が出せるのであれば、伸びしろは充分にあり練習次第では入賞を目指せるのではないだろうか。まさか自分に大会参加の可能性があるとは思ってもみなかったのですが、取り組み次第では十分手の届く目標であるように思われて俄然意欲が湧いてきます。ちょうど1年後の2024年の世田谷区の水泳大会に照準を合わせてトレーニングをしていくことにしました。

練習場所はどうするか

私は8年ほど地元のスポーツクラブに通っており、筋トレと有酸素運動トレッドミル)に取り組んでいました(ただ、平均すると月3~4回程度のトレーニング頻度で熱心に取り組んできたとは言えませんが…)。

そういえば、一度も利用したことがないけれど、このスポーツクラブにはプールがあるはずだ。利用の仕方すら分かりませんでしたが、スタッフの方に聞くと追加料金も不要で問題なく利用できるようです。

筋トレ後にトレッドミルで走っていた時間をプールで泳ぐことにすれば、これまでの生活パターンを大きく変えることなく水泳の練習を組み込めそうです。

レーニング開始

初めてプールを利用するのと、どこまで泳げるのか分からないこともあって少々緊張していたのですが、初心者用のコースもあり、自分のペースで練習ができそうです。

練習メニューも事前に考えようと思ったのですが、ちょっとどのように考えてよいのか分からない。練習メニューについて調べてみても記号で表記されていたりして見方すら分かりません。当面は泳ぐことに慣れることに主眼を置き、練習メニューはおいおい考えることにしましょう。

クロールと平泳ぎを中心に少しずつ距離を泳いでいきます。25mを泳ぐたびに立ち止まり息を整えます。1時間ほど経ち、1,200mくらい泳ぐことができました。休みながらとは言え、まとまった距離を泳げたことは嬉しい。ただ、やはりちょっと体が重い感じがします。体脂肪率が20%くらいあるのですが、およそスポーツをする者の体ではないと感じます。

いずれにせよ、思いのほか泳げたことに気を良くし、週2回 筋トレとスイミングのトレーニングを継続していくことにします。

レーニングスケジュール(2023/8/26~)
場所 ジム ジム
レーニン 筋トレ 筋トレ
有酸素運動 スイミング スイミング

スマートウォッチの導入

練習を効果的にするため、スイミング中の各種ステータスを記録できるスマートウォッチを利用しようと考えました。私が通っているジムではシリコン製カバーなどを装着する事でプールでのスマートウォッチの利用が許されています。ネットで調べて下記3つを候補に挙げました。

Apple Watch

Apple Watchは日常の利用を想定しているものと思っていたので、スポーツアクティビティでも活用できるとは知りませんでした。iPhoneユーザーなので親和性も高く使い勝手も良いかもしれません。ただ、バッテリーのもちが悪いようです。

Garmin Swim 2

ランニングウォッチで有名なGarminはラインナップに水泳に特化した製品も揃えています。ただ、発売が3年前と少し古く、継続的にアップデートやモデルチェンジがなされていくのか不安が残ります。またジョギングなど他の用途に別途製品を購入するのも無駄のように感じます。

Garmin Forerunner 255

Garminの主力製品Forerunnerシリーズのミドルレンジのモデルです。ランニング機能はもちろん、スイム機能も備えています。この時点で後継のForerunner 265も出ていたのですが、価格が安くなっていたForerunner 255を購入しました。

早速利用してみたところ、ビート板を使った練習は手を動かさないからか計測が正確にできないようですが、それを除けば、まあまあ正確に距離を計測できているようです。練習時間やペース、消費カロリーなど様々な項目が記録されます。練習ごとにこれらの値がどのように改善していくのか練習の励みになります。

心拍数も測定できたのですが、こちらは驚きの結果となりました。平均158bpm、最大209bpmとかなり高めの数値です。一般的に想定される限界をはるかに超えています。タイムを出すために全開で泳げばもっと心拍数が上がっていくことでしょう。体感的にはそこまで限界を攻めているつもりはなかったのですが、数値的には望ましくない値であることは明らかです。

まずはウォーキング

心拍数が上がってしまうのは心肺持久力が低いことによるものと思われます。ここで厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネットから心肺持久力についての説明を見てみたいと思います。

心肺持久力 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

心肺持久力(しんぱいじきゅうりょく)

全身持久力とも呼ばれる。心臓や肺の機能に依存する身体のスタミナや粘り強さのこと。

心肺持久力は一定の運動を長く続けることができる体力や粘り強さのことで、筋力・瞬発力・柔軟性・調整力と並ぶ基本的運動能力のひとつとされています。

<中略>

心肺持久力を高めるには、低めの運動強度の運動を可能な限り長い時間行うこと、最大酸素摂取量の40%以上確保することが必要とされていますので、ジョギング・水泳・サイクリングのような全身を使う有酸素性運動が適しています。

心肺持久力を高めるトレーニングを行うと肺や心臓の働きが強化されることで毛細血管が発達して筋線維への血流量が多くなるので、酸素をとり込んで運搬する能力が高まり長時間のエネルギー供給が可能となります。心肺持久力を高める運動をすることは身体活動量の増加につながり、結果として生活習慣病の予防に効果的であると考えられます。

心肺持久力を高めるには有酸素運動が適していること、そして心肺持久力を高めるトレーニングを通じて肺や心臓の働きが強化され、一定の運動を長く続けることができる体力や粘り強さの向上につながる、との事です。

そもそも心肺持久力に限らず体重や体脂肪率にしても、水泳に取り組む体づくりができていないと言わざるを得ません。大会までは1年間あります。まずは最初の数か月は体づくりを意識したトレーニングに集中したほうが良いでしょう。 経験上、月に数回思いついたように運動するだけでは効果は見られません。時間的な都合から毎日は難しいのですが、週3~4回程度を目標に近所の公園でジョギングに取り組むことにします。

まず最適な心拍数について考えてみます。 最大心拍数を知るには実際に測定する必要があるようですが、220から自身の年齢を引いた数字で推定値を求めることができます。

私の場合は220から50を引いた170bpmが最大心拍数と推定されます。持久力向上を目的にした場合は、運動強度を70~80%程度にしたほうが良いそうですが、安全を考慮して目標運動強度は70%に設定します。これらの数値が決まったら、カルボーネン法という計算式で目標心拍数を求めます。

カルボーネン 目標心拍数 =(最大心拍数 - 安静時心拍数)× 目標運動強度(%)+ 安静時心拍数

安静時心拍数は変動する可能性がありますが、都度計算するのは面倒なので、ここでは70bpmとしておきます。これらの値からカルボーネン法で求めた目標心拍数は140bpmとなります。

Garmin Forerunner 255はジョギングでの利用も可能です。水泳と違って、常時心拍数をモニターしながら走ることができます。しかし、少しでも走ると140どころか150を簡単に超えてしまいます。目標心拍数に収めるためにはペースを落とす必要があり、結局、ほとんどの時間をウォーキングとせざるを得ませんでした。颯爽と走る自身の姿をイメージしていたのですが、走ることもできないことに軽くショックを受けます。この日の結果は平均ペース:9:59/kmとなりました。

入賞を目標に頑張ろうと気持ちが高揚していたところに冷や水を浴びせるような結果となりましたが、30年ぶりに運動をするのです。当然の結果かもしれません。まずは泳ぐ練習よりも、体づくりに重点を置いた方が良いでしょう。当面、水泳は週1回のみとして、週3~4回程度のウォーキングを継続し、心肺持久力の向上と体重・体脂肪率の低減を図る。そしてペースを9:59/kmから少しでも上げていくことを目標にしていきたいと思います。

ウォーキングを主体としたトレーニングスケジュール(2023/9/2~)
場所 公園 ジム 公園 ジム 公園
レーニン 筋トレ 筋トレ
有酸素運動 ウォーキング トレッドミル ウォーキング スイミング ウォーキング