登山や旅行の際に無線機を持ち出して交信を楽しもうとアマチュア無線の世界に飛び込みました。
受験の経緯
以前より、登山の際に万が一に備えてアマチュア無線のハンディ機を携行しようかと漠然と考えていました。携帯電話等の普及により近年はアマチュア無線の人気もかげりが見えているようですが、一昔前は「King Of Hobby(趣味の王様)」と言われたこともあるほど奥が深く魅力的な世界でもあるようです。
インターネットや専門誌などで調べていくうちにアマチュア無線への興味・関心が募ってきます。入門的な位置づけの四級であれば比較的簡単に取得できると知って試験を受験することにしました。
第四級アマチュア無線技士試験の概要
アマチュア無線の資格は第一級から第四級まであります。一級~二級は上級資格と位置付けられており取得のハードルも高いのですが、三級~四級は初級資格とされ基本的な勉強を怠りさえしなければ取得は容易とされています。
【第四級アマチュア無線技士 試験内容】
- 法規:12問
- 無線工学:12問
- 試験時間:60分
合格基準は法規、無線工学それぞれで、60点満点中、40点以上を取る必要があります。
試験実施日は東京に関して言えば、年4回設定されている試験日(事前申し込みが必要)の他に、毎月、日本無線協会本部で当日受付の試験を実施しています。当日受付の試験は、不意の予定の変更や勉強の進捗に応じて試験日を選べるのでとても助かります。
詳細は下記日本無線協会のホームページを参照して下さい。
使用教材・勉強方法
第4級ハム国試 要点マスター2019
- 作者:魚留 元章
- 発売日: 2018/12/15
- メディア: 文庫
定番とされている試験対策書です。これ一冊で十分合格することができます。
試験の出題内容はほとんどが過去に出題された問題であることから、勉強方法としてはひたすら過去問を解くことになります。
法規については理解は難しくはなく、特に勉強していく上で困る事はないかと思います。ただ、無線工学に関しては、本来であれば専門の教育が必要とされるような分野であり、難しいと感じる事も多かったです。前述のように試験は過去問からの出題であるので、分野によっては丸暗記で臨むことにしました。
簡単とされている試験ですが、これまでアマチュア無線の運用経験もないことから用語からして馴染みがなく、出題範囲を一通り理解し覚えるにはそれなりの勉強時間が必要でした。
試験後の手続き
試験時間は60分ですが、試験開始後30分が経過したら試験会場から退出することができます。ほとんどが目にしたことのあるような出題だったので特に悩むこともなく回答し、30分が経過したところで退出しました。
試験に合格しただけでは無線機を使い電波を利用することはできません。おおまかに以下の流れで手続きを行う必要があります。
■アマチュア無線を利用するまでのおおまかな流れ
- 無線従事者免許申請
- 無線機購入
- 電波利用 電子申請・届出システム ID/パスワード発行申請
- 開局申請
■試験から開局までの時系列
日付 | イベント | 備考 |
---|---|---|
9月29日 | 第四級アマチュア無線技士国家試験 受験(当日受付) | 試験申請書代:120円 試験手数料:4,950円 |
10月2日 | 無線従事者免許申請(郵送) | 手数料(収入印紙):1,750円 郵送費:488円 ※返信用簡易書留費を含む |
10月20日 | 無線従事者免許証 受領 | |
10月21日 | 電波利用 電子申請・届出システム Lite ユーザID/パスワード発行申請 | 無線従事者免許証の番号が必要 |
10月23日 | 無線機(YAESU FT3D)購入 | |
10月24日 | 電波利用 電子申請・届出システム Lite ユーザID/パスワード受領 | |
10月25日 | 開局申請(電波利用 電子申請・届出システム Lite) | 無線機が必要 |
11月11日 | 申請手数料 電子納付手続のお知らせ 受信 同日、申請手数料 納付 |
申請手数料:2,900円 |
11月12日 | 免許状返信用封筒 送付 | 郵送費:168円 ※返信用郵送費を含む |
11月14日 | 審査終了 | |
11月15日 | 無線局免許状 受領 |
無線局免許状には割り当てられたコールサインも記載されています。私のコールサインは以下の通りでした。
JJ1VJT
以上のように、試験合格から無線局免許状を得て無線機を利用できるようになるまで、約2か月程度の期間が必要となります。
今後の楽しみ方について
アマチュア無線は奥深い世界であることから、長期的に運用経験を積み、勉強等を通じて技術的な知識を習得していきたいと思っています。ただ、何かと多趣味な上に育児や仕事に関する勉強も怠ることができない中、アマチュア無線に大きく時間を割く事も難しいと思っています。
当初の取得動機の通り、登山における楽しみの一つとして、主に山での移動運用に限定してアマチュア無線と付き合っていこうと思っています。
そんな私にちょうどピッタリのアワードプログラムがあることを知りました。
SOTA(Summits On The Air)と言われるもので、一定の基準に従い選定された山の山頂から交信を行い、標高に応じたポイントを得るというアワードプログラムです。SOTAの本部はイギリスにあり、世界的に活発に活動が行われています。山頂という絶好のロケーションを得て、海外の愛好家との交信も夢ではないでしょう。
登山だけではなく、アマチュア無線も技量を高めていきたい。経験を重ねてより標高の高い山に挑戦したい、無線機やアンテナ設備の改善を重ねよう、CW(モールス通信)を習得しよう、上級試験を目指して海外と交信しよう等、目標や夢はどんどん広がります。
まずはFT3Dを片手に近場の山からスタートし、少しずつ上達・向上していく過程を楽しもうと思っています。