自身の技術領域を広げる為、各種サーバーのOSとして広く用いられているLinuxの技術習得を意図して、LPIC-1を受験しました。
Linux Professional Institute LPIC-1 試験の概要
LPICは、カナダに本部を置く非営利団体 Linux Professional Institute Inc.(LPI)によって提供されているLinux技術者認定試験です。日本だけではなく世界中で提供されている国際的な試験です。
レベル別にLPIC-1からLPIC-3まで用意されています。今回受験したLPIC-1では、コマンドラインによる管理作業やLinuxのインストールや構成、及びネットワークの基本設定を行えるスキルを認定するものです。LPIC-1に認定されるには、LPIC-1 Exam 101(101-500)とLPIC-1 Exam 102(102-500)の2つの試験に合格する必要があります。
■ LPIC-1 Exam 101(101-500)試験トピック
■ LPIC-1 Exam 102(102-500)試験トピック
- シェルとシェルスクリプト
- インタフェースとデスクトップ
- 管理タスク
- 必須システムサービス
- ネットワーキングの基礎
- セキュリティ
使用教材
1.Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応
Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応
- 作者:中島 能和
- 発売日: 2019/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
LPIC-1は2018年に改訂され、現在はVersion 5.0になっています。本書はLPIC-1 Version 5.0に対応した参考書です。1冊でLPIC-1 Exam 101(101-500)とLPIC-1 Exam 102(102-500)の両方の範囲をカバーしています。
LPIC-1の試験範囲を体系的に学習できるので、こちらの参考書をメインに学習を進めていきました。ただ、紙面の都合か、説明が不十分だったり分かりづらいと感じる箇所も所々ありました。適宜、ネットや専門誌などの情報を参考にしていくと良いと思います。
2.Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応
本書はLPIC-1 Version 5.0に対応した問題集です。回答が丁寧に解説されており、前述の参考書で学んだ知識をより深い理解とすることができる良書だと思いました。また、本書に出題されている問題は、実際の試験でも類似の出題がありましたので、高得点を目指して合格を確実なものとする為にも目を通されることをお勧めします。
勉強方法
試験トピックは多岐にわたる為、コマンドやオプション、設定ファイルの配置場所や名称等、覚えるべきことが非常に多く、とても苦労しました。勉強して理解しても、しばらく経てば忘れてしまい、また再度参考書を読み返すといった事をずっと繰り返していました。この試験は復習を重ねることが大事だと思います。
オプションについては、覚える際のコツとして元となる単語を意識することを心掛けました。例えば、-h(human-readable)、-v(verbose)、-l(list)、-f(force)等々、意味ある言葉と関連付けて学習すると覚えやすいと思います。
出題範囲の中で捨てた問題もあります。覚えるべきことが多い中、ディストリビューションごとの違いまでとても覚えきれないと感じ、Debianに関するトピックは勉強しませんでした(具体的にはパッケージ管理のdpkgとAPT)。業務での活用を視野にRed Hat Enterprise Linuxを意識していたので、Debianは優先度が低いと判断したためです。
基本的に参考書・問題集による机上での勉強が中心ですが、自宅のPCにはVMware Workstation Player上にCentOS 8をインストールし、気になった箇所を随時、実機で確認するようにしていました。
試験結果
科目 | 得点 |
---|---|
LPIC-1 Exam 101(101-500) | 720 |
LPIC-1 Exam 102(102-500) | 640 |
試験を終えて
勉強期間は5ヶ月程で、かなり真剣に取り組みました。初級レベルで簡単な試験だと思っていたので、ここまで苦労するとは思わなかったです…。
苦労して覚えたコマンド類も1ヶ月もすれば大半を忘れてしまうかもしれません。勉強の過程で感じたのですが、Linuxの技術は日常的にLinuxを運用管理し、専門誌や書籍を読むような習慣がないと身につかないのではないかと思います。次はLPIC-2を目指したいのですが、より深くLinuxを学んでいきたいので、独自ドメインを取得して自身のサーバーを構築し、日常的にLinuxを扱う環境を用意しようと思います。